日本のマイナス金利政策の影響と銀行貸出金残高の推移【その2】

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政策開始から2020年1月までの銀行貸出金残高の推移

マイナス金利とは、債券の金利をマイナスにすることによって、民間銀行が保有している資産を経済に放出することを目的とした政策です。

日本特有の経済対策となっており、日本銀行が民間銀行に対して発行する、短期国債がマイナス金利とすることにより、銀行が保有する貸出残高を放出することが、主な目的となっていました。

政策開始当時は2%にインフレ率を早期に目指していましたが、民間銀行では中央銀行からの貸付を拒みつつ、自社の保有債券の放出を行うといった状況が続き、銀行の貸出金残高は、2016年の政策開始の470兆円から2020年までの4年後で450兆円まで減少し続けました。

都銀の事例では、銀行貸出金残高(全国銀行協会ベース:2016年7月末)は3年9か月ぶりに減少に転じる等、マイナス金利導入が企業の資金需要に繋がっていない状況となっていました。

参考:https://www.nam.co.jp/market/column/trend/2020/200715_2.html

 

2020年以降の銀行貸出金残高の推移

銀行貸出金残高は2020年2月に最低残高を付けた後、2か月間で570兆円と過去最高値を更新しました。

背景としては新型コロナウイルスの影響があり、民間企業の資金繰りが悪化したため貸付を申し入れる企業が増えたことがあげられ、5月、6月の貸出金急増の背景には、政府の政策で、民間金融機関による実質無利子・無担保の特別貸付制度が開始されたことや、6月に融資上限額の引き上げ等の拡充が図られたことがあげられます。

また、日本銀行が5月の臨時会合で決定した約30兆円規模の「新たな資金供給手段」が6月から開始されたことなども追い風となり銀行の貸付預金残高はマイナス金利開始以来最高値を更新することとなりました。

 

 

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