短期金利と長期金利の関係

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短期金利とは

短期金利とは、主に国債などの債券で2年などの比較的短期的な債権を借りる際につけられる金利のことです。FRBやECB、日銀などの中央銀行の政策金利に連動するという傾向があります。

銀行の預金金利も政策金利に大きく影響を受けます。政策金利が高い国の銀行の預金金利も高くなる傾向があり、預金金利が高いと預金利益を受け取ることができます。

 

長期金利とは

長期金利とは、短期金利とは逆で、国債などの債券で10年などの比較的長期的な債権を借りる際につけられる金利のことです。

民間企業の住宅ローン金利はこの長期金利と連動する傾向にあります。

 

短期金利と長期金利の関係性

短期金利と長期金利は逆相関の関係があるといわれています。

以下のグラフは、米国国債の短期金利と、長期金利です。

通常民間銀行は、短期金利で中央銀行から短期債で借りた資金を担保に長期で貸付を行い、その長短金利差で収益を確保するというビジネススタイルで経営しています。この長短金利差が大きければ市場や経済に出回るお金の量が大きくなる傾向にあるといえます。

逆に長短金利差が小さければ、小さいほど銀行は貸付を渋る傾向になり、市場や経済に出回るお金が少なくなるといえます。

不景気時期には、短期金利が低く設定され、長期金利は10年後などの経済状況を盛り込むため、高くなる傾向にあります。

グラフでは、長短金利差が広がってきているため、緩和政策が行われていることがわかります。

そのような状況下では、多くの場合、株式相場などに資金が流入することが多く株式市場は上昇傾向になります。

 

 参考:https://graphics.reuters.com/USA-BONDS/LJA/gjnpwyblqpw/index.html

①不況期経済期 (景気後退、リセッション)

消費が落ち込んで、景気が悪くなります。経済対策として一般的に行われるのは日本銀行やFRBによる金融緩和(紙幣発行)政策金利の引き下げが行われます。低金利下では、銀行が中央銀行からお金を借入しやすくなるため民間企業へも資金が流入しやすくなります。

お金のサイクルが回りやすいように調整されます。

この際に株価は上昇傾向になります。

 

②経済回復期

主に長期金利の利率が高くなり短期金利とのさ(長短金利差)が大きくなっていきます。

その理由として、長期金利は10年後や長期債券の満了時の景気状況を盛込んだ利率で発行されるためです。

景気上昇局面の10年後の景気予想は、現在より良くなっていると予想されるため、経済回復期の長期金利は高く設定されます。

この期間の株式市場は、株価がピークを付ける傾向にあります。

 

③経済拡大期

経済拡大期には、特徴として経済がインフレ気味になります。消費者物価指数が高止まりする傾向になります。物価高が始まりつつあり市場に出回るお金が増えたことにより、物価が上昇し、過激な物価高や賃金上昇の抑制として、政府が金融縮小(紙幣回収)や政策金利の引き上げを行います。

金融縮小では、主に日本銀行やFRBなどの中央銀行が、債券貸付金利の短期金利を高く設定し経済へのお金の流入を抑制します。

それらを行った場合、短期金利が高くなり、10年後の景気を織り込んだ長期金利は下がる傾向にあります。

そのため、短期金利と長期金利は逆相関の関係にあるといえます。  

この期間の株式市場は、徐々に下値を切り下げていく傾向になります。

 

 

金利と株式の関係

株価は、EPS(一株当たりの利益率)×PER(株価収益率)となっています。

PERは金利と密接に関係しており、実際に米国株を例に挙げると、2022年5月現在はコロナでの金融緩和の引き締めとして、FRBが政策金利を引き上げると3月ごろから発表していました。それを受け、高PER株のハイパーグロース銘柄などが軒並み下落しする傾向があります。

株価が上下する理由は、金利のほかに決算発表に大きく影響されます。

 

 

為替と金利の関係

一般的に市場の資金は金利の低いところから、高いところへ流れる傾向があります。たとえとして、アメリカが政策金利を引き上げる際に、日本の政策金利が上がらない場合は、日本円が売られ、ドルが買われる傾向があります。(2022年現在の状況)

その際、ドルに対して円に価値が低くなることから円安となります。

世界に通貨は主にドルで取引されることが多い傾向になります。円安になると、日本で過ごす際には輸入品(石油、食材等)の値段が高くなり全体的な物価が上昇していく状況が発生します。(インフレ)

 

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